国家資格キャリコン、実技更新講習のポイントを5分でお届け!第3回「認知行動療法を用いた実践キャリアコンサルティング」
認知行動療法という心理療法のひとつの概念を活用して、どのようにキャリアコンサルティングに活用していくのかという講義となっています。この概念を学ぶ事で、客観的に根拠を持って物事の状況を把握する事が出来、具体的な行動に移していくことが出来るようになっていく。それを相談者の方自身に気付いてもらい、自分の力で行動出来るようにしていく事を目的にしています。通常のビジネスにも繋がる実践的な内容です♪
目次
この講座で学べること
- 認知とは、その人が生まれてから今日までの学習の結果引き起こされるものであるため一人ひとり異なる。
- 認知行動療法は一朝一夕で学べるものではない。あくまで一部の概念を活かすという意識が必要。
- 客観的に物事を整理する事が出来るので、正しい状況把握のもとでどうすべきかという検討をする事が出来る。
講座の流れ
5時間半の動画を視聴後、記述テスト。一部はテキストをそのまま見てれば十分に解ける問題。テスト後半はケーススタディになるため、実際に自分で考えて記述する必要があるため今までで一番難易度は高め。
講義の1/3以上は実際にワークをしますし、適時講師の方がテストに向けたヒントも下さいますのでとても頭に入ってきます。これも真面目に受講していればまず合格点(70点)は確保出来ます!
単元のポイント1(認知行動療法とは)
- 認知とは、生まれてから今日までの学習の結果を表す。犬を見て可愛いと思うか、怖いと思うかはその人は歩んできた体験によって犬に対する感情・認知が変わってくる。
- 例えば犬に幼少期に噛まれて大怪我をした人は、どれだけ安全な犬で問題ないと分かっていても危険な動物という強烈な体験があるため、自分の身を守るために犬から距離を置こうとする。
- 認知における学習が、快楽や幸せを求めて行う充電タイプと、不快を避ける安全を求めるための消費タイプに二分される。
- 当然、人は不快を避けるエネルギーのほうが優先されるようになっているので、合格したら1万円もらえるよりも、合格しなかったら1万円失うほうが行動には移りやすい。
- このように認知にはフィルターが常にかかっているので、今目の前の現実が本当に過去と同じとは限らない。認知が現実を歪める事がある事を理解する。
- つまり、今感じている不安や危険と思う感情や認知を一旦横において自分の内側を見つめ、どうすべきかだけでなく、自分がどうしたいのか?そして現在起こっている事象は本当に不安なものなのかを一緒に考えていく心理療法が認知行動療法。
- 認知を柔軟に考える事で具体的に問題に対処する事が出来、結果的に気分が改善していくスキーム。
- これらによりコンサルタントのアセスメント能力の向上に繋がり、事象に対して客観的な根拠を持って接していく事が出来る。
- 結果的に相談者の自己理解や仕事理解、冷静に状況を把握し、適切な行動へつなげていく効果が期待出来る。
- ただし、無理にポジティブなものに変える事が目的ではなく、今の認知が現実に即しているかを検証するという事が大前提。
単元のポイント2(キャリアコンサルティングへの活用)
- 不安というものは見れば見るほど大きくなっていく。そこを認知、気分、行動のいずれかに焦点を当てて変えていくことで良いブレーキや改善をしていく事が出来る。
- その方の感情や判断、評価などを通して過去の体験を類推することが出来る。
- 面談においても事実ではなく、上記の点に注目する事でどのような認知の歪みがあるのか、どのようなフィルターがかかっているのかを確認していく。
- 具体的なアプローチ方法は大きく分けて3つあり、1:コラム表、2:問題解決リスト、3:アクションプラン。
- コラム表は、どうせ自分には無理、などの認知の歪みが行動を制限してしまっているとき、その認知は本当に適切かどうか、表を埋めていく事で一緒に検証していく方法。
- 問題解決リストは、なんとかしないといけないけど何をしたらよいか分からないという状況において、問題点を具体化し、取り組みやすい問題から解決を図っていく方法。
- アクションプランは課題は分かっているけどなかなか一歩が踏み出せない場合に、障害となるべき事象を全て書き出し、一番取り掛かりやすい課題から行動目標を立てていく方法。
- 全てに共通する事はしっかりと相手に書き出してもらう事で納得感を持って行動に移すことが出来るので、自分の判断や行動に責任が持てるようになる。
- 行動する事は学習出来るという事に繋がるので非常に効果的だが、あくまでも主役はクライアントであるため、コンサルタントが考える行動に誘導しないこと。傾聴が大切。
- 相談者の不安な気持ちに寄り添って傾聴していくことで、相手はその状況を理解させようとする努力をやめ、そのエネルギーをそれでは自分は何故そう思うのか、どうしたいのかという建設的な方向へエネルギーを自身で使うようになっていく。

まとめ
フィルターは誰しもがかかっているもの。キャリアカウンセリングだけでなく、部下との面談や自分自身が不安で堪らないと思ったとき、子供の悩みを聞くときなど、プライベートや日常業務においても知識を知っておくだけでも活用出来る場面は多いと感じました。
客観的なデータや検証がある事で納得感が生まれ、自発的な行動に移っていく。それを本人が自身で気付けるようにサポートする。あくまで誘導はしない。キャリアコンサルティングの本質が凝縮されたような内容でとても勉強になりました!
リンク
LECキャリコン更新講習:https://www.lec-jp.com/caricon/koushin/
認知行動療法の参考図書:心が晴れるノート
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